だいぶん前ですが「アントレ」という古楽情報誌にオルガン製作講座「ポジティーフ・オルガンを作ろう」という連載がありました。内容は小型のパイプオルガンを一から自作するというものです。鍵盤楽器を自作するとは夢のようですが、「いつか作ってみよう」とこの連載を目当てに毎回買い求めていました。時間も場所もなく作る機会を失ったまま十数年が経過しましたがこのブログで以前に紹介した「手回し鳥オルガン」にふれてからパイプオルガン製作の熱が再燃し始めてしまいました。
製作の環境の方は何となく整ってきていましたのでこのたび、満を持して製作開始をすることにしました。
連載でこのポジティーフ・オルガンは「クライネ・ゲダクト」と命名されいてます。
数日前からパイプの試作を3本ほど作ってみました。はじめはなかなかならなくて難儀しましたがやっと目処がついたので、まずは中音の1オクターブ分のパイプを作ってゆきます。
いきなりですが中音パイプの「ケルン」と前板「フォアシュラーク」が完成しました。予備を含めて14本です。
この連載では材料にナラを推奨していますが、私の今回の製作ではケルンのみナラで、それ以外はMDFを使用します。
このために取ってあったナラの材料を5mm厚に製材するところから始めるとすれば、バンドソーは持っていないのでテーブルソーで切り出していかなければならないのですが、刃厚分のロスが多く材料がもったいない、また初めてということもあり気軽に使える材料であれば失敗しても気が楽ということもあってまずは手持ちのMDFで試作してみたところ悪くなかったのでMDFで作ることにしました。
しかしMDFは柔らかい材料なので、エッジはちょっと当たっただけで崩れますし、ぴしっと作るのが難しいです。次回は(あるのかないのか知りませんが)、少なくともケルン、前板、歌口がついているパイプの前板は堅い木で作った方が良さそうです。
写真の「ケルン」と前板「フォアシュラーク」の隙間はだいたい0.3〜0.4mmです。角は立っていた方がいいようです。
この投稿を書いている現在、
古楽情報誌「アントレ」ではこの1列の「ポジティーフ・オルガンを作ろう」及び「ポルタティーフ・オルガンを作ろう」、「ポジティーフ・オルガン「2列クライネゲダクト」を作ろう」のシリーズものバックナンバーを格安にて購入することができます。
0 件のコメント:
コメントを投稿